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デイブの映画話3"悪魔のいけにえ"


テキサスチェーンソー大虐殺!

この春は、狂気に満ちた傑作カルトホラーを楽しもう!ぎゃー!


 

クルーのみんな、調子はどうだい?

こちら航海長デイビッドだ。


ようやく寒さも落ち着いてきて、春の足音も近づいてる今日この頃。

シアトルもだ〜いぶ暖かくなってきて、ホッと一息だ。


ついこないだまで随分寒かったのになぁ。


 

そういえば日本では「非常に寒い気温」を指す表現として

「バナナで釘を打てるくらい」というものがあるそうだな。


古いCMのキャッチコピーに起因しているそうだが…、

日本人は不思議な発想力を持った人たちだな。


だって、釘を打つ道具としてバナナ使うか?


「もったいない」精神で世界的なリスペクトを集める日本人。

とうぜん「食べ物を粗末にしない」もんだと思っていたが…。

意外だな…。


な〜んて冗談はさておき、今日も俺の好きな映画の話を書かせてくれ。

今日はホラー映画だ!きゃ〜!


 

今日紹介するのは「悪魔のいけにえ」(1974、米)だ。


監督は若き日のトビー・フーパー。

のちに「ポルターガイスト」や「スペースバンパイア」などを撮る方だな(RIP!)。

ちなみにフーパー監督はこの作品の音楽もやってます。

40周年記念ポスターとアタクシ★

あらすじ

1973年夏、民家もまばらなテキサスのド田舎。

とある屋敷には、クレイジーな殺人鬼一家が住んでいた!

そこへ迷い込んだ若者五人組が、一人また一人と殺されていく。

彼らの運命は…!?


↑予告(日本語)


デイブ的イイねポイント①テキサスチェーンソー大虐殺!最悪(最高)な悪魔的キャラクターたちに震えろ!

本作の魅力は、まずはアイコニックなキャラクターである「レザーフェイス」につきる!


名前の通り、人の死体から剥いだ皮を顔に被っているこわ〜い大男。

チェーンソーを振り回して、森の中を追いかけて来たりするぞ!


レザーフェイスは恐ろしい男なんだけど、知能は低めなようだ。

うがーーーと叫んだりするけど、しゃべったりはしない。

また、お父さんに怒られてヘコんだりと、ちょっとピュアなところがあるのも面白いな。


(殺人に)疲れて、「今日は大変だなぁ」とばかりに窓辺で一休みするところも、見方によっては、少しかわいい?かも。


(ちなみに顔に被る人皮は、「普段用」「おしゃれ用」「ディナー用」などと使い分けており、「おしゃれ用」は、口紅を塗ってちょっとかわいくしていたりするところなんかも若干お茶目だ。映画「サイコ」のように、お母さん役を演じているのかも…)


ということで、単純に「モンスターのような殺人マシーンだよーん」ってだけならまだしも、少し人間味?を持たせることで、俗世との地続き感というか、「こういう殺人鬼はもしかしたら見知らぬ土地には住んでいるのかも!?」という独特の恐ろしさが盛り込めていて、さすが!といった感じだな。


 

レザーフェイスだけが殺人鬼なのではない。なんと家族全員が殺人鬼だ!

一家皆で仲良く、死体を掘り返したり、人肉で美味しいチリソースを作ったりしている!



メインキャラとなるご家族は、お兄ちゃんとお父さんだ。


お兄ちゃんは、万年躁状態といった感じで、自分の手のひらをナイフで切りながらもヘラヘラ笑っているような、少年のような心を持った狂人だ。レザーフェイスよりも年上だし、利口なようなので、レザーフェイスに対しては少し上から目線だぞ。


お父さんは、一見普通のオッサンなのだが、平然と人を誘拐しようとしたりするところを見ると、やはり狂人だ。しかも、お兄ちゃんとレザーフェイスをベシベシ叩きながらやたら叱りつけたりと、教育方針はスパルタめみたいだ。


ということで、一家で1番こわそうな見た目はレザーフェイスだというのに、お兄ちゃんやお父さん方が序列が上みたいだっていうところも、この家族、そしてこの映画の気味悪さを強調していてナイスなポイントだ。しかもその上に「じい様」(後述)がいるというからまた面白いのだ…


 

ちなみに、原題が「The Texas Chain Saw Massacre」であるように、本作の主役はチェーンソーでありレザーフェイスなのだが、殺人の道具はハンマーやらフック(食肉処理場とかで肉を吊り下げるやつ)やらと、ヤな感じで工夫が凝らされているぞ!


(殺人の道具ではないけど)ホウキの持つとこで、身動きが取れないヒトをペチペチ小突くとこも、いちおう、武器描写かな?ここはちょっとウケるかも。



デイブ的イイねポイント②この狂気は作り物ではない!?熱波と臭いと絶叫に、発狂寸前の撮影現場!

この映画は、画面から溢れ出る狂気がすごい。


レザーフェイス一家の気味悪いルックスや言動もさることながら、マリリン・バーンズ(RIP!)演じる女の子の、恐怖に歪んだ顔面・叫び・眼差し、全てが作品の狂っちゃってる感じをかもし出している。


しかもこれは、「狂っちゃって見えるように演技・演出をしている」というだけでもないらしい。

つまり、撮影時、スタッフやキャストは半ば本当に狂っちゃっていたと言うのだ…!


 

この作品は、まったく無名チームでの低予算な製作だったため、

限られた時間・場所・小道具になってしまい、かなり厳しい撮影だったそうだ。


まず、衣装。

一着しか用意できないのに、「一夜の出来事」という設定だから服の汚れとかをいちいち落としていられない…、ということで撮影期間中、衣装を全然洗濯しないで毎日着ていた。


そして気候。

しかも撮影期間中テキサスを猛烈な熱波が襲い、毎日汗だくだったから、

たった一着しかない衣装は日に日に臭くなったとか…!


しかも現場も劣悪。

メインの舞台となる家屋の中は、カーテンで締めきって照明をたくから、めちゃんこ熱い!小道具に置いていた動物の骨や死体(ホンモノ)とかも腐り始めて、それがまた悪臭を放つもんだからなお最悪…!


おまけに時間がない!

予算が限られているので、短い撮影期間で撮り切らなきゃいけない。

このため毎日何時間も撮影し続けることとなり、スタッフも役者も日に日に疲れていく…。現場は相当ピリピリしてそうだ。


ということで、低予算に加えて天気も最悪ということで、

臭い、熱さ、疲労といった最悪の条件が揃った撮影現場となったそうだ。


 

しかしこれは、「狂ったヒト」を演じるうえではある意味好条件となったのかもしれない。


とりわけ、中盤以降のマリリン・バーンズは狂気ハンパなし。

もう本当にギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーギャーと絶叫しまくるわけだが、これは結構マジで正気失ってたからこその、やけくそ絶叫だったのかもしれないな…。


お顔はジュリアン・ムーアみたいで美しい女優さんなのだが、

ものすごい体当たりの演技に、脱帽ですわい…



デイブ的イイねポイント③恐怖だけじゃない!ユーモアと美しさも味わおう!

恐怖を掻き立てる演出もうまいが、

所々にユーモアを交えているのもこの作品の大きな魅力だ。



とりわけ、レザーフェイス一家に住む車イスの老人(通称「じい様」。多分レザーフェイスの祖父)のシーンは笑えるぞ!


じい様は、ミイラみたいな顔で、車イスから全く動けないし、喋らないことから随分ご年配のようだ。しかし昔は食肉処理の名手だったようで、いまだに家族からの信頼はたいへん厚い。このため、何かおめでたい?ことがあると「まずはじい様にやらせろ!」となるわけだ。


例えば、「さぁこれから家族みんなでこの女の子を殺すぞ」となった時には、まず最初に、じい様がハンマーで彼女の頭をかち割る大役をご担当するのだ。


鏡開きみたいなもんだな。


で、じい様は、孫たちに見守られながら、ハンマーを握って振り下ろそうとするのだけど、どうも手元がおぼつかない。握ったハンマーをぽろっぽろっと落としてしまうわけだ。


それを孫たちがいちいち拾ってあげて、「さぁじい様ガツンと頼むよ!ほらほらもう一度!あーもうまた落としちゃって、ほらもう一回!」とばかりに盛り上げながら、じい様をサポートするのだ!


ある意味美しい敬老の精神を描いたシーンだなぁ、…なんて不謹慎な冗談を考えながら、俺はいつも恐怖を通り越した笑いがこぼれてしまうよ。



あと他にも、女の子の指先をナイフでピッと切ってあげると、じい様がそこにむしゃぶりついて、血をチュウチュウチュウチュウと吸うというシーンも、キモかわいい?しウケるぞ。


↑じい様シーンのダイジェスト動画。

0:30〜0:60が指チュウチュウシーンだな(腕の動きが気持ち悪い!)。

1:33〜がハンマーのシーンだが、なんか関係ないポップソングかぶせちゃってるなぁ。フィルターみたいのもかかってるし。こういう処理をしなきゃ削除されちゃうのか、ジョークのつもりなのかよくわからんが…。


 

そして、この映画には美しさもある!


とりわけ美しいシーンは、終盤に現れる、レザーフェイスの”ダンス”のシーンだ。

たぶんこの作品のファンの9割9分が「一番美しいシーン」と言うであろうこの場面。


朝焼けを浴びながらチェーンソーの轟音を掻き立てて舞い踊るレザーフェイスのシルエットを見ていると、きっとあなたも「一夜の大冒険の締めくくりとして、なんて最高なんだ!」と考えながらジ~ンと感じ入ってしまうはず!?



(そのあとの、背筋がゾクゾクっとするような、恐ろしい切れ味のブラックアウトも合わさって、エンドクレジットを見ながら「ぅオオオオ…」とうなってしまうような素晴らしさだぞ)


 

低予算ホラー映画とはいえ、ストーリーやキャラクターといったアイディアがパーフェクトなうえ、テンポから何からたしかな編集テクニック、そして狂気を帯びた演技といった総合的な要素が本作ではすべて輝いていて、奇跡的なマスターピースとなっていると思うな。


コメディ色を強めた2作目も作られ、こちらも大人気に。レザーフェイスは、現代のホラーアイコンとしてスターとなり、いまだに続編やリメイク、前日譚が作られていくこととなるぞ。(2013年には「飛びだす悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲」と言う3D作品も作られているぞ!)




 


ということで、いかがだったかな?


別に俺はホラー映画は詳しくもないし、怖いのとかびっくりするのって普通に苦手なんだが、「悪魔のいけにえ」は特別に好きなので、紹介したぞ!


(色々不謹慎なことも書いたかもしれんが、あくまで映画のお話、作り物のお話なわけで。

良い子のみんな、人の命はたったひとつの宝物、チェーンソーは安全に気をつけて、木を切るためにしか使っちゃダメだぞ!)


でも次はバランス取るためにラブコメとかにしようかな…。


 

そういえば、もうすぐ次の漁も近いな。アビーの初出漁だし、気合い入れていかないとな!


ということで、今日はこの辺で!

Be Excellent To Each Other!


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